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信州昆虫学会・信越昆虫研究会 合同大会のお知らせ

信州昆虫学会・信越昆虫研究会の2024年合同大会を9月8日(日)に,対面とオンラインのハイブリッド形式で開催します.午前中に一般講演,午後に公開シンポジウムを予定しております.みなさまにおかれましてはぜひとも会場にお運びいただき,オンサイト開催の雰囲気を改めて感じていただければと考えております.なお,一般講演に関しましては,1発表あたり,質疑応答を含めて15分間を予定しています(講演数により調整の可能性あり)。また,これまで通り,信越昆虫研究会との合同大会として開催することにあたり,発表プログラム(講演者名や所属,題目)が日本昆虫学会の和文誌『昆蟲ニューシリーズ』に掲載されますので,予めご了承ください.

 

一般講演対象者:信州昆虫学会会員ならびに、信越地区(新潟・長野・富山・石川)に現在在住または過去住んでいた,信越地区をフィールドとしている,信越地区のサンプルを使っているなど,信越地区にゆかりのある方。

 

一般講演の申し込みと締め切り:8月30日(オンラインでの発表も可)

下記URLより発表申し込みをした後,200字以下の講演要旨を

竹中(takenaka10mt@shinshu-u.ac.jp)まで提出してください(8月30日締切)

 

大会参加申し込みと締め切り:9月5日正午(オンライン参加のみ)

 

発表申込ならびに参加登録用URL

https://forms.gle/498LjSLqYo7QmLXF6 

(オンライン講演・参加の方には前日に参加URLを配信します)

(会場参加は当日会場にお越しいただいても参加できますが,できるだけ事前登録をお願いします)
 

信州昆虫学会・信越昆虫研究会2024年合同大会

会場:信州大学松本キャンパス(オンラインとのハイブリッド形式)
日時:2024年9月8日(日)
場所:信州大学理学部棟 1番講義室(オンライン併用)

信州大へのアクセス
https://www.shinshu-u.ac.jp/access/matsumoto/

理学部棟へのアクセス
https://www.shinshu-u.ac.jp/guidance/guide/matsumoto/#campusmap

 

<プログラム>
【午前の部】10:00-12:20
10:00 – 10:05 信州昆虫学会 会長挨拶, 信越昆虫研究会 代表挨拶

 

座長:谷野宏樹(諏訪湖環境研究センター)
10:05 – 10:20 谷野宏樹・宮坂真司・筒井裕文・北野聡(諏訪湖環境研究センター)・福本匡志(長野県上伊那地域振興局)
「メガネサナエ Stylurus oculatus 諏訪湖集団の経年調査と雌雄比、羽化殻サイズの時期的な変動について」


10:20 – 10:35 松浦匠〇 (大公大・農)・山本哲也 (長崎大) ・松本嘉幸 (千葉) ・市野隆雄 (信州大・理) ・平井規夫 (大公大・農) ・上田昇平 (大公大・農)
「分子系統解析から探る Stomaphis 属アブラムシの寄主植物利用の歴史」


10:35 – 10:50 鈴木智也〇(広島修道大・人環)・大庭伸也(長崎大・教育)
「日本列島におけるタガメの集団構造解析」


10:50 – 11:00 鈴木誠治〇(北大院・農)
「外来昆虫ムネアカハラビロカマキリの新潟県における分布:市民調査の試み」


休憩

 

座長:鈴木誠治(北大院・農)
11:10 – 11:25 田中真織・弘中満太郎(石川県立大院・応用昆虫)
「街灯が休眠を妨げる:夜間照明によるアメリカシロヒトリ幼虫集団の休眠阻害」


11:25 – 11:40 鈴木啓久〇(飛騨高山高)・船越進太郎(岐阜県)
「日本産ベニコヤガ類(Arasada 属,Oruza 属)の分類学的再検討」


11:40 – 12:55 齋川和宏〇・関根一希(立正大・地球)
「信越地方に認められる 跗節黄褐色型のミヤマクワガタ」


12:55 – 12:10 山口万里花〇(東京大・理)・菊地波輝(豊博)・吉田貴大(都立大・牧野)奥山雄大(科博・筑波実験植物園)・村上哲明(都立大・牧野)
「クチナガハバチ属-イワボタン列共生系における送粉関連形質の地理的変異」


12:10 – 12:20 宇佐美真一〇・西尾信哉(信州大学山岳研)・伊藤建夫(信州大・理)・中谷貴壽(横浜市)
「乗鞍岳における高山蝶調査:2022, 2023, 2024」


12:20 – 12:50 信州昆虫学会 総会

【午後の部】13:30-17:00
 2024年 信州昆虫学会大会一般公開シンポジウム

 北信越地域のゲンゴロウ類 —研究最前線と今後の展開—

水生昆虫の中でもゲンゴロウ類の衰退は顕著であり,北信越地域でも複数種のゲンゴロウ類が激減していると考えられます.一方,希少種のゲンゴロウが分布拡大しているという例も知られています.今回のシンポジウムでは,近年のゲンゴロウの研究動向に関する講演をお願いし,相互に情報交流することで,減少要因と保全対策,今後の研究展開について理解・議論を深めたいと考えています.

講演者・発表内容

山地祥子 氏((株)生態計画研究所)

「長野県のゲンゴロウの多様性と生息状況」

上伊那地方におけるゲンゴロウ類の群集構造や環境選好性を明らかにし、その保全について検討した。調査は2016~2017年に実施した。中山間と市街化地域で計5つの調査地域で、群集調査及び立地環境調査を行った。マルガタゲンゴロウ、ゲンゴロウなど、計11属14種を確認した。ゲンゴロウ類の群集構造は止水環境の種類や調査地域および微環境によって変化しており、地域内に多様な条件を維持することが保全上重要と考えられる。

渡部晃平 氏(石川県ふれあい昆虫館)

「石川県のゲンゴロウ上科と最近の研究事例」

石川県では2024年時点で45種のゲンゴロウ上科が記録されている。本講演では、 石川県に分布するゲンゴロウ上科の特徴のほか、石川県をタイプロカリティとして記載されたニセコウベツブゲンゴロウ、温暖化により個体数を増加させつつあるコガタノゲンゴロウなど、筆者が近年精力的に研究をしてきた事例を紹介する。

 

加藤雅也 氏(大阪公立大学)

「ヤシャゲンゴロウの遺伝的多様性」

夜叉ヶ池のみに生息する種の保存法指定種ヤシャゲンゴロウに対して遺伝マーカーを開発した。広域分布する近縁種のメススジゲンゴロウと遺伝的多様性を比較した結果、ヤシャゲンゴロウの遺伝的多様性はメススジゲンゴロウよりも低いことが確認された。また、ヤシャゲンゴロウの生息域外保全集団及び、過去に採集された標本個体について遺伝的多様性を算出した結果、野生集団と比べて生息域外保全集団は遺伝的多様性が低く、標本個体は同等であることが確認された。

鈴木智也 氏(広島修道大学)

「近年分布を拡大しているコガタノゲンゴロウの飛翔実験および分子系統解析」

本研究は、日本列島において近年分布を拡大しているコガタノゲンゴロウと、その近縁種であるナミゲンゴロウおよびクロゲンゴロウの飛翔行動と地理的遺伝構造を比較した。その結果、コガタノゲンゴロウは繁殖期前後の春と秋に飛翔頻度が高くなり、他の2種と比較して多く飛翔していた。また、ミトコンドリアDNAに基づく分子系統解析の結果、コガタノゲンゴロウでは遺伝構造の地域的傾向がみられず、飛翔実験結果と合致するものであった。これらの結果から、コガタノゲンゴロウは高い移動分散力を有し、急速に分布域を拡大していることが示唆された。

コメンテーター:東城幸治(信州大学)

司会:上田昇平(大阪公立大学)

不明点などはご気楽にお尋ねください.


問い合わせ先
竹中將起(信州大学)(takenaka10mt@shinshu-u.ac.jp)

主催:信州昆虫学会・信越昆虫研究会
共催:信州大学理学部
後援:信州生物多様性ネットきずな

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